【2Q予測】月刊セルシス研究No.58

セルシスのIRは頭が湧いているのは今に始まったことではありませんが、今回の業績修正や中計は特に酷い。全部指摘するとまとめきれないので、業績を中心に言及します。

UIUX事業の2Q予想業績

①中計のUIUX事業(中計)の違和感

UIUX事業→2Q累計で8.2億円の売上で0.4億円の赤字。へぇずいぶん調子いいじゃない。見たことのない数字。でもUIUX事業って2023年7月いっぱいまでセルシス傘下じゃないの?なんで2023年6月まで?数字間違っていない?認識間違いかな?

②2023年2Qの売上

中計が正しい前提で、2023年2Qの業績を計算します。上は1Qの業績。

★2023年2Q(中計)
売上見通し:820百万円-297百万円=523百万円・・・①
営利見通し:-0.40百万円- -0.94百万円=0.5百万円

2Q単体ですが、Qあたり過去最高売上&黒字転換ですよ。これ数字合っている?

そもそも、UIUX事業の2Q売上は月次と為替(1ユーロ150円)を考慮すると、
286百万円(月次1~3月合計)×1.25(為替分)=360百万円・・・②。

さらに2023年4月月次の売上をチェック。
138百万円(月次4月)×1.25(為替分)=172.5百万円・・・③。

②+③=532.5百万円。①とほぼ同額。これ中計が誤表記?・・・やっぱり中計の数字は2023年7月まで(実際は4月まで)で正しそうです。

※UIUX事業はカンデラGMBHが売上の80%を占有
※2Qなら4月~6月の合計では?→期ずれの理由は下記。

Candera GmbH の業績は3か月の差異を以って当社の連結業績に反映されておりますとともに、為替の換算レートは、1ユーロあたり、120 円固定で換算しておりますので、連結業績とは差異が生じます。

どうしてこんな間違いが起こったか?きっとセルシスは中計の記載通り、2023年6月で会社譲渡予定→交渉がこじれる→譲渡が2023年7月末にずれ込む→急いで中計のUIUXの業績数値修正→「2023年6月まで」を「2023年7月まで」に修正し忘れ、ってところでしょう。

まとめると、2023年2Q売上は360百万円。2Qまでの売上合計は、1Qの売上290百万円を合計した650百万円

予想売上が591百万円なので、約50~60百万円の上振れ。

売上高の修正は53百万円なので、ほぼぴったり。恐らく営業利益の修正もUIUXがらみと想定できます。

UIUX事業をまとめると

上期売上:650百万円
上期営利:△97百万円 ※-113百万円(2023年度の旧業績予想)+16百万円(業績修正分)

蛇足ですが、2023年4月の売上はライセンス料が入るので大きい→4月単月では黒字。営業利益は2Q合計の△97百万円→中計△40百万円に改善するのでしょう。

ただ、「特別損失は△700百万円」と記載にも関わらず修正幅は△563百万円。△140百万円分の説明がありません。これは前述UIUXの上振れ分と、コンテンツ制作ソリューション+流通ソリューションの1Q上振れ分を加味したのでしょう。つまり2Qのコンテンツ制作ソリューションと流通ソリューションの見通しは期初のまま、と想像します。

※コンテンツ制作ソリューション+流通ソリューション(いずれもクリスタ関連)の2Q予想を再構築&業績予想に加味していたとすると、「1Q営業利益:650百万円」→「2Q営業利益:100百万円程度」となり、1Q比で500百万円以上の減益となります。説明がつきません。

何を加味して何を加味していないのか?説明がないから意味不明。でも、そこがチャンス。次に本丸のクリスタ関連の業績予想をします。

コンテンツ流通ソリューションの2Q業績予測

DC3事業+月次の電子書籍部門です。

★通期見通し(中計)

★1Q業績

★電子書籍部門の売上見通し

2023年6月も88百万円とすると、88百万円×3=264百万円。1Q業績と合計すると512百万円。

通期営業利益予想が△770百万円、1Qの営業利益が△157百万円のため、残赤字を2Q~4Qで按分すると△204百万円。以上から

上期売上:512百万円(2Q:264百万円)
上期営利:△361百万円(2Q:△204百万円)

→1Qと比較で営業赤字幅が広がると想定します(DC3辞めてほしい)。

コンテンツ制作ソリューションの2Q業績予測

★1Q業績

営業利益率は48%。

★2Qの売上見通し

電子書籍を除いた分の5月×3をすると1,653百万円。この額だと、ほぼ1Qと変わりません(実際はツール販売が3月~5月で大幅に増加、6月に大幅減少の可能性もある為、正確には6月発表分の確認が必要)。今回は落込みの可能性を加味して、売上1,600百万円と見積もり、営業利益率を48%に設定すると

上期売上:3,253百万円(2Q:1,600百万円)
上期営利:1,568百万円(2Q:768百万円)

ここから3つ営業利益を減らす要因と影響を考えます。

①中国プロモーション:DL増えていないので、本格化していない?

②決済システム移行:いくら費用が掛かるのか?ですが、大きく見積もって1.5億円と予想。

③追加プロモーション:2.0が発売された1Qより増える?増えないかと。

以上から、追加費用1.5億円強を加味した上期業績は

上期売上:3,253百万円(2Q:1,600百万円)
上期営利:1,400百万円(2Q:600百万円)

となります。

全事業の2Q予想売上&営業利益について

まとめます。

★UIUX

上期売上:650百万円
上期営利:△97百万円

★コンテンツ流通ソリューション

上期売上:512百万円(2Q:264百万円)
上期営利:△361百万円(2Q:△204百万円)

★コンテンツ制作ソリューション

上期売上:3,253百万円(2Q:1,600百万円)
上期営利:1,400百万円(2Q:600百万円)

以上を合算すると・・・・

上期売上:4,415百万円
上期営利:942百万円

修正された業績予想を確認します

売上:150百万円の上振れ
営業利益:327百万円の上振れ
四半期利益も黒字化するでしょう。追加で1億円程度の費用が掛かっても、四半期純利益は黒字化できます。

さて通期予想。これは6月の実績が出てから計算しましょう。少なくとも上期の上振れ分は加味した修正があってもいいと思います。そうすると、大分見た目も変わるかと。

上期業績予想の修正が出るとしたら7月末頃でしょうか?通期は2Q決算発表時?総悲観の今こそ買うってことです。気長に待ちましょう。

最後に

あくまで個人の予想です。間違っていたらごめんなさい。もし指摘が正しければ・・・IRさん、もっとしっかり仕事してください!

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