【★★】スペースマーケット会社情報と考察その2【IPO転職】

スペースマーケット

この記事のまとめ

将来的に数億円単位の利益を出し続けられる企業である一方、大きく拡大することは想像しづらい。大きく拡大するようであれば、模倣しやすいビジネスモデルのため技術力・資金力のある大企業が参入するでしょう。ということで「★★☆☆☆」の評価です。

・マクロ的視点:シェアリングエコノミーは国策、景気動向は不問、社会的には若年層の人口減少は気になるものの、インスタ映えなど趣向が求められる現代においてサービス浸透余地あり、技術的要素は特に必要ない。

・ミクロ的視点:強みは「業界の先駆者&掲載スペース数&利用者数首位」、弱みは「自社による需要喚起が下手」。機会は「シェアリングエコノミーの浸透によるサービス利用者拡大」、脅威は「差別化困難」「集客がSEO頼み「参入障壁低く、大手アグリゲーションサイトの新規参入やコワーキングスペースの浸透」など。

・3年以内にIPOするのでは?大企業にはならないでしょうが細々と続く企業だと思う。

・よく言われる「民泊」「外国人利用」への期待は無い。

PEST分析(マクロ視点)

業界的には成長する余地が大きいと考えます。現状、脅威になるようなことはありません。

政治的要因

シェアリングエコノミーは国が推進する「国策」です。「来投資戦略2018」で重点施策として位置づけられています。時代も所有から共有に変化していることから、業界全体に追い風が吹いているといえるでしょう。まあ、下記のような記事もありますが。

金融庁資料にシェアリングエコノミー業界激震の文字
新興企業が軒並みおびえている資料がある。金融審議会が5月29日に開催した「金融制度スタディ・グループ」で議論された「『決済』法制及び金融サービス仲介法制に係る制度整備についての報告(案)」。ここに致命的な文言を発見したからだ。

経済的要因

そもそもシェアリングサービス自体が、所有よりも負担が少ないモデルになっているため景気動向に左右されることはないでしょう。また、主な利用者だと推定される20代~40代の人口は減少傾向が続いているものの、新サービスであることから「縮小する」という言葉はなじみません。

社会的要因

「スペースを借りてパーティー」なんてシーンはいわゆる「インスタ映え」しますので、若年層からは受け入れられやすいサービスになると推定されます。

技術的要因

過剰な技術が必要となるサービスではないため、心配事項は特にありません。

30才Webディレクターが未経験からエンジニアにジョブチェンした話 | スペースマーケットブログ
こんにちは、Webエンジニアの山本です。得意科目は生物です。私は2017年の頭にスペースマーケットにジョインしたのですが...

ご本人の能力は別として、30歳未経験でもチャレンジできる技術レベル。

SWOT分析(ミクロ視点)

リクルートモデルのため、参入障壁が圧倒的に低い点が非常気になります。ただ、新規参入するほどの市場規模があるかどうか、と言われると未知な部分です。

強み

業界の先駆者。掲載スペース数、利用者数、アプリインストール数は断トツで首位。貸しスペースのプラットフォームといえばココだといえる。また利益率が高いモデルのため売上が上がれば上がるほど利益は膨らんでいく。

弱み

「インドア花見」など需要喚起策を行っているものの、そこまでサービスが浸透している印象はない。これまでのリリースを見ても自社でサービス浸透させるほどの企画力は疑問。現在サービスを利用している「アーリーアダプター」による浸透がどこまで進むか。

機会

シェアリングエコノミーが浸透しつつあることから、スペースレンタルもその流れに乗れると想定される。

脅威

「貸し手と借り手を結びつける」だけのモデルで「競合との差別化」が困難。また、サービス利用数が増加すれば、新規参入、特に手っ取り早いアグリゲーションモデルが得意な企業「じげん」「リブセンス」の参入は容易に想像がつく。掲載件数も微増で営業力?

民泊事業への期待は??

スペースマーケットに関する記事で「民泊」関連の事業を進めており期待される方もいるのはないでしょうか?

スペースマーケットが宿泊事業に本格参入!時間貸し+民泊で効率的な運用を支援 | 株式会社スペースマーケット | 場所のチカラで あなたにエール
スペースマーケットが宿泊事業に本格参入!時間貸し+民泊で効率的な運用を支援

正直、民泊は営業日数に関する中途半端な規制改革のため、大阪を除いて期待薄。

民泊、正念場へ 年間最大営業日数の180日到達で 残り185日は民泊営業できず
観光庁はこのほど、12月14日時点の住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出件数と受理件数を公表し、民泊届出件数…

空きスペースの宿泊貸しが難しいから、時間貸しに移行しているのです。ですので、個人的に民泊期待はできない、と判断しています。

模倣可能性が高いモデル

スペースシェア自体の広がりは今後も期待できると思います。

「スペースマーケット 利用者」の画像検索結果

ユーザー数についても上記の情報が発表されています。年平均350%も昨年比では倍増レベルです。これで2018年売上が5.8億円。2019年は10億円行くか、行かないかというレベルでしょうか?

一方。利益率の高いビジネスモデルのため、増えた売り上げの多くは利益として残ります。このお金をどこに投資するかがカギ。スペースシェアの普及に使う、ということができれば今後も期待できると思います。

気になる模倣可能性・・・これは売上が増えれば増えるほどリスクが高まります。対策が打てればよいですね