【タレント不祥事】AC差し替えについて語ってみる

アメトーク

AC差し替えという言葉をご存じですか?

広告主がテレビCM素材(タイプ)を決定し、テレビ局に伝えるのは放映1週間前がルール。これ以降の素材変更は特殊事情を除いて認められません。今回は、「AC差替」と密接に関連する特殊事情をご紹介いたします。

3つの特殊事情

1.企業都合:CMで訴求する商品が発売中止

2.タレント都合:CM出演タレントに不祥事

3.不可抗力:自然災害が発生し、CM放映が不適切な場合

特殊事情が発生した場合は、広告主から広告代理店を通じてCM素材を「AC素材への差替」依頼をテレビ局に実施。依頼を受けたテレビ局は差替可能なものから順に対応します。ただ、即対応は技術的に難しく、翌日以降の対応となることが多いです。

※ACとは「ACジャパン(旧:公共広告機構)」のことで、「AC差し替え」とは「ACジャパン」が制作する「環境問題・公共マナー・薬物・いじめ・家庭問題・啓発活動」の素材です。

アメトークのケース

「アメトーーク」ドタバタ劇 4社がACジャパンの広告に差し替え - ライブドアニュース
「アメトーーク」の20日放送分が緊急事態に陥っていたと、東スポが報じた。宮迫博之の闇営業騒動を巡ってか、4社がCMをACジャパンの広告に差し替え。ACジャパン広告が連続しないよう、急きょ番組構成が作り直されたそう

アメトークで話題になった「AC差替」、今回は「2.タレント都合」が該当します。記事に記載がありませんが、「AC差替」を行っていない企業も存在しました。なぜなら、差替の判断基準は企業ごとに異なるからです。※この時点で金銭授受は否定しています。

CM放映費用の負担は誰?

さて、気になるお金の話をしましょう。

アメトークのCM枠は視聴率が高く、高額で取引されています。AC差し替えを行った際、クライアントに費用は返金されるのか?答えはNO。代金を支払って、AC素材を流します。あらゆる影響を考慮し、クライアントが判断します。

現代はSNSで情報が拡散される時代。「あの企業、CM放映しているよ」なんてことが拡散されると困ります。最近は企業に直接問い合わせをする方も増えています。企業イメージが低下しないように、あえてAC差し替えを行うのです。

AC差し替えの判断基準

6月24日夕方、吉本興業は闇営業を認める発表をしました。クライアントは「闇社会」に通じる人間が出演する番組への費用拠出はコンプライアンス上認められないため、AC差し替えの判断がしやすい。しかし、6月24日以前は事実かどうか判断できない状態。どうするか?

私が所属していた企業では「悲しむ人がいる発生する場合は放映中止」とのルールでした。今回のケースでは、「悲しむ人が発生しない」と判断してAC差し替えしなかったと思います。

ずいぶんあいまいなルールだなと思った方、その通りです。でも不祥事にも様々な種類があり全ての事項に白黒の判断をつけることはできません。ここが企業判断が割れることにもつながると思います。

差し替えた企業さんはすごいです。なぜなら、「タレントが闇営業疑惑」なんてニュース、芸能好きしか知らないですよね。クライアント企業の担当者はきちんと芸能ニュースに目を光らせている証拠です。(広告代理店が伝えていたかもしれませんが、、、)素晴らしい!